好事魔。

好事魔多し、というのはまさにその通り。よく人生複式簿記、というけれども、調子の良い時ほど落とし穴に気をつけなければならないし、気持ちよく好き勝手なことを言っているときにこそ、足下をすくわれるものである。

 

なにかを手に入れるために、なにかを手放さなければならない。なにもかも手に入れている人も稀にいるけれども、その裏でとてつもない努力をしているか、目に見えないところで喪失感を抱えているか、のどちらかだと思う。そういったことなくなにもかもを手に入れても、悪銭身につかず、というものと同じで、結局は抱えきれず地面にぶちまけてしまい、失ってしまうものだ。

 

立場が変わるにつれて、文字通り自分の全身全霊で挑まねばならなくなる。そして、今まで積み上げてきたものをさらけだして戦わねばならなくなる。

 

自分の右腕を引っ張ってくる、ということもひとつの解決策である。自分ひとりではマネジメントしきれないから、その部分を埋められる人を連れてくる。そうして、なんとかやっていくしかない。