最後の手段。

著名なタレントさんの訃報に接した。報道はされていないが、おそらくは自死なのだろう。原因についてはいろんなことが言われているし、それを詮索してもあまり意味がないだろう。

タイミングとして、(元)家族である3人とグアムに行き、子どもの誕生日を祝い、ひとあし先に帰国したその翌日のできごとであったと言われる。なぜそんなに幸せな時間を過ごしたすぐ後に、と言われるかもしれないが、自分はその気持ちはわからなくもない。どうしようもなく死にたくなるのは、苦しみや悲しみの渦中にあるとき、というよりは、その渦の中を抜けて、ほっとひと息ついた時であることが往々にしてあるからだ。

もちろん、自死は残された人にとっても悲しいことで、止められるものは止めなければならないことであるのは確かだけれども、苦しみを抱えた人にとって、その苦しみから抜け出すための最後の手段であるのも事実である。なので、自分はそうした手段を取った人を責めたりする気にはなれない。