青と函。

青森からさらに函館にわたる。どちらも実に6年半ぶり、前回は真冬だった。どちらの街も良いところは残っているものの、基本的にはうらぶれた感じがするのは年月のせいだろう。その昔は関東と北海道の大動脈をつなぐ要衝として栄えたその名残が残っている。要衝としての地位は新千歳空港に譲ってしまったのだろう。

そんな枯れた感じが妙にしっくりとくるのも歳のせいである。賑やかなところがだんだん苦手になり、隅っこの方でひっそりとしているのが好きになってきた。もともと幼少の頃はそういう性格で、20歳前後はそれでも一時期は明るい性格になったこともあったが、東北や北海道の一瞬の夏のようにそのような華やかな時期も終わり、またもとの暗い場所を好むようになった。

青森が掘っ建て小屋とトタン屋根の茶色いイメージだとすると、函館はどこまでもねずみ色の武骨な建造物が続く。むろんどちらの街にも現代らしく新しく整備された場所もあるのだが、昭和のイメージが残るエリアのほうがよっぽどその街らしいと感じる。

また、真冬の時期にもきてみたい。これも久しぶりのサウナにはいって、身体と脳が活動を停止してベッドに沈み込む。