新しい世界。

時間に余裕があったので、前日に引き続き遠回りしてドライブ。同じ目的地に向かうにしても、いろんな道を通ってみると地域に対する理解が増す。ああ、この道路の周りにはこんな風景が広がっているのだな、だとか。

のどかな田園風景が広がるなかに、突如として町が現れる。小さく曲がりくねった路地。古くなりながらも綺麗に整備された戸建て住宅。時の流れが止まったような世界でありながらも、確かに人の営みがそこにはある。

急速に過疎が進んでいる町だ。空き家も増えてきているし、若い人はどんどんいなくなっている。もちろん大変な部分もあるのだろうか、あまりにも長閑で、悲壮感は感じない。むしろ、若者が包摂されているかのような雰囲気すら感じる。

そんな不思議な雰囲気のある市街を抜けて、対岸にはよく見慣れた街が姿を現す。首都圏近郊のよくあるニュータウンといった趣で、車や電車の往来も活発だ。川ひとつ隔てただけであまりにも世界は変わるのだなぁ、と感じる。

道草を食っていないで家路を急がねばとアクセルを踏む。いろんな世界をくぐりぬけていくことで、少し心の澱が取れて気持ちが軽やかになる。また、がんばろう。