泥沼。

故人である喜多川氏の生前の行為が明るみになるにつれ、ジャニーズ事務所に激震が走っている。一部のコアなファンはそれでも推しのタレントを支えようとするだろうが、スポンサーは徐々に降りていかざるを得ないのではないだろうか。そして熱狂的なファンが躍起になって支えようとすればするほど、ジャニーズ事務所は泥沼の深みにはまっていくことが予想される。どちらにせよ沈む舟ならば、早めに見切りをつけてタレントも去るべきなのだろう。その判断をどうやっていくか、デビュー済みの各グループの考えが試されるのだと思う。

 

メディアもこれまでは必死で擁護しようとしてはいたが、スポンサーが降りてしまえば手のひらを返さざるを得なくなってくるだろう。そうなると芸能界の図式も大きく変わってくる。盤石に思えたものごとも、あっけないほどに早く瓦解するのだろう。時代の波に呑み込まれるとはそういうことなのである。

 

悲劇とはえてしてスローモーションで起こっていくものだ。十分に逃げる時間も対処する時間もあるはずなのに、それでも身体と心が動かずに、いつしか外堀が埋められて身動きが取れなくなってしまう。