リスクオフ。

ちょっと古い話になってしまったのだけど、クレディスイスが経営破たんに陥ってUBSに驚くほどの安値で買収されてしまった。15年前のリーマンショックを彷彿とさせる事態なのだが、そこまで大きなニュースにもならず淡々と経済活動が続いている。これは、よく捉えればリーマンショックの教訓が生かされてスムーズに金融システムがリカバーの動きを取れた、という評価もできるが、あまり手放しでよかったね、と言えることでもないと思う。

 

引き続きドイツ銀行の経営が問題視されている。利上げの機運も削がれてしまった。利上げは現実として、いくつかの財政的に脆弱な国家のハードランディングをもたらす危険もあるのだが、あまりにも金融システムの安定化だけにフォーカスしすぎているがゆえに、全く思ってもみなかった側面から新たな危機が巻き起こされるのではないか、ということを懸念している。

 

基本姿勢としてはリスクオフでいくべきなのだろう。いまからシナリオを決め打ちすることはできない。そのなかで、フットワークは軽く、目の前の状況に応じてできる打ち手を淡々と重ねていく。短視眼的にならず、気持ちに余裕を持っておく。いま楽しめることはしっかりと楽しんでおく。そして、波はあれども嵐はいつかは収まり、狂わなかった者が最後までリングに立っている者だ、と信じてやることなのだと思う。