ガラガラポン。

出張先のホテルでほろ酔い加減で部屋のテレビをつけると、党首討論をしていた。つまらないと思いつつもついつい視聴してしまうものだ。

正直言って内容が酷い。本質的な政策と関係ないことを延々としゃべっている。番組構成に問題がある。それでもぼんやりと最後まで見ながら、数年前のことを思い出していた。

リーマンショックの後、政権交代があった。あの頃の東京はどう見ても雰囲気が暗かった。別にリーマンショックや大震災があの頃の政権のせいだと言うつもりはないが、なすすべのない無力感のなかで、疲弊し、来月の給料が出るのだろうかとおびえながら働いていた。

もちろん今だって、先の見えない無力感や疲弊のなかで生きている人もいるだろう。でも、少なくとも全体的には人手不足感は増し、若者が使い捨てられるような時代ではなくなっている。人手不足による倒産が増えているのは、むしろ社会全体にとっては悪いことではない。

あの暗い数年前に戻ってしまうかもしれない、と想像すると、僕はガラガラポンを選択する勇気がない。社会や経済が混乱すればいまの世の中では巡り会えないチャンスがくるかもしれない、と分かっていても、そこにベットする勇気がない。それを保守的と言うのであれば甘んじて受け入れる。