いまを生きる。
日銀総裁が今月で交代になる。アベノミクス、異次元の金融緩和とはなんだったのか、これから日本国民は思い知ることになる。既に社会保障の負担は耐え切れないほどに膨らんでおり、なかなかに今の世の中は働くことへのインセンティブが得づらい時代に入っている。
先を見ても不安だらけだ。かくなるうえは、不安からは適度に目を逸らし、いまを楽しむ、ということにフォーカスするしかないのだろう。この先どうなったとしても、楽しかった、そして幸せな記憶が蓄積していれば、人はそれでなんとか生きることはできる。
そしてできることは、できる限りたくさんのことに足を引っ掛けておくということだ。いままで信じていたものが信じられなくなった時に、よりどころにできるものが多ければ多いほど、人は倒れにくくなる。単一の価値観に依って生きるのではなく、こういう生き方もあり得る、ああいう生き方もあり得る、という選択肢を持っておくことが、乱世を生き抜くコツになる。
新しい総裁の植田さんの表情を見て、もうこの国は延命させずにいったん清算をしにいくのだろうな、という意思が伝わってくる。