プカプカ。

高速バスで通い慣れた場所へ。いくつ会社が変わっても、通い続けられる、というのも面白いものである。もう一生関わり続けていくのであろう。


最初にこのバスに乗ったのがもう22年前になる。あの頃は当然なにものでもなかったし、何者でもなかったからこそ、怖いもの知らずで新しい世界に飛び込もうとしていた。その気持ちの根っこはいまも変わっていないはずで、いまもまたあえて不安定なところに飛び込もうとしている。


安定など幻想で、脆くも崩れ去るものだと思っていた22年前の目論見は、多少見込み違いであった。しかしながら、先延ばしにしてきた見せかけの安定は、いよいよ音を立てて崩れようとしている。大嵐のなかでも、小舟ならば、なすすべもなく沈むことなく、プカプカと浮かび続けられるはずだ、と信じている。


自分たちで楽しみを見出して、周りの人達を巻き込んでものごとを進めていく、というプリンシプルは若い頃と少しも変わっていない。これからも変わることはないだろう。どれだけおかしい世の中であろうとも、淡々と、目立たず、やるだけである。