街。

新しいオフィスが気に入って、滞在時間が増えた。採光がよくて明るいし、ミーティング用のデスクで仕事をするのも居心地がよい。ビル全体の戸締めを気にしなくともよいのもプラスである。


自然と、退社が最後になり、電気を消して施錠をして帰ることになった。実はこれまで、最終退社になったことがあまりない。なので、ちょっと不思議な感覚である。


すっかりと暗くなった街に出る。地下鉄の駅の入り口までは徒歩1分だ。このあたりは、6年前や4年前にもよくきていたなあ、ということを思い出す。当時よく寄っていた建物はもう取り壊されてしまった。よく通っていた会社の事務所ももうない。ターニングポイントとなった時に食事をした店も閉めてしまった。どんどん変わっているのだ。


それでも自分はまた、この街に戻ってきた。なにかと縁があるのかもしれない。そしてまた、この場所でカネを稼いでいく。飄々と、しっかりとやろうと思う。相性のいい街であることは間違いない。ビルの谷間を縫うように、走り回っていく。