千日手。

時間があるわけではないが、久しぶりに棋聖戦を観戦。永瀬王座が藤井五冠に挑戦している。永瀬王座お得意の千日手2回も炸裂し、2度目の指し直し局を制しての白星スタートとなった。激闘というべきものすごい対局内容であった。


やっぱり、トップ棋士の対局は観戦するだけでとても勉強になる。忙しくなりつつも将棋ウォーズは続けており、もう9年目に入っている。棋力は一進一退を続け、メンタルの調子により成績も上下する。毎日数十分を消費しているので、忙しいのだからやめればいいのだが、これこそが自分にとっての息抜きで、心身の状態を測るバロメーターとなってしまっている。このルーティンをやめれば、いろんなものがガタガタ崩れてしまいそうで怖いのだ。


どんなとき、追い立てられているなかでも、自分の立ち位置を確保し、落ち着いてふるまう。そんな能力を将棋からは教えられている。なにがあっても、淡々と目の前の処理すべきことをこなす。そして、誘惑には目もくれず、自分の器にあった幸福を掴んで離さない。納得がいかなければ、何度でも千日手を繰り返して、粘り続けるだけだ。