生き抜いた。
仕事でお付き合いのあった方が亡くなられた。3月に会ったばかりだった。正直なところ、コイツとは付き合えない、と思う場面もあったが、憎めないところもある人物であった。
繁華街の片隅のステーキハウスでステーキを食べた。既に脚を悪くされていて、車椅子生活になっていた。車からの乗り降りがキツそうだったので、両脇を抱えてあげたが、驚くほど身体が小さくなっていることに気づいた。身体は小さくなっていたが、食欲は旺盛で、ペロリとステーキを平らげていた。
いろいろあった人生だろう。生きていれば、恨みつらみ、貸し借りの関係などあるが、死んでしまえばそれも全て帳消しだ。本当に、死んでしまえば終わりになるのだ。そういう意味では、めいっぱい生き抜いた人生だと言えるのだろう。
2ヶ月ほど入院して、退院したその日の夜に自宅で息絶えたのだと聞いた。おそらくはホッとしたのだろう。これで本当に安らかな眠りにつけることだろう。ご冥福をお祈りします。
自分も、その日がくるまで、精いっぱい生きなければ、と思う。