教員。

教員が不足しはじめていると聞く。特定の教科の授業ができなかったり、教頭が担任を兼任しているケースもあるそうだ。自分が学生だった頃からは隔世の感がある。


いちおう、中高の教員免許を持っている。キャリアのどこかで教壇に立てればいいな、という気持ちはあったが、新卒ですぐ教育採用試験に挑むほどの情熱はなかった。あの頃は、学卒で教員になるのは至難の業で、大学院に進むことが一般的だったと記憶している。それでも、生まれ育った地域で試験に通ることは稀で、縁もゆかりもない地域で教員になった知人を何人か見てきた。


採用を絞りすぎたツケがここにきているのだろう。どの地域も40代の教員はほとんどいない。現場はとうに困っている。それでも、抜本的な手を打つには至らず、中途採用はいまだ冷遇され、再任用などでお茶を濁す例が後を立たないようだ。


この硬直的な仕組みもあと10年くらいすればもう少し変わるだろうか。日本の教育システムは大筋では素晴らしい部分のほうが多いのは確かだと思う。とはいえそれは現場の類稀なる努力によってなんとか支えられているものであり、そろそろ限界がきているのは確かだ。チャンスがあれば人生一度、チャレンジしてみたいとは思っている。