氷河期。

ある大手企業が、「人員構成のなかで40代前半の層が薄い」とコメントを出していた。いわゆる就職氷河期である。自業自得という言葉しか見つからないのだが、多かれ少なかれどこの会社でも見られる風景である。銀行なども、この年代層が極端に薄い。

当時は団塊の世代をリストラしても追いつかず、新卒採用を大きく絞っていたのだ。僕のつい一学年くらいまではそんな時代が続いていた。どこから見ても優秀な人が、全くもって大手企業に引っかからず、派遣社員としてキャリアをスタートさせたり、公務員試験にチャレンジし続けたりしていた。それが普通のことだと思っていた。

それからずいぶんと時代は変わった。大手企業に入社するのも昔と比べればはるかに容易になった。レベルは落ちたのかもしれないが、数年鍛えれば誰でもそれなりに力はつくものだ。企業のなかで教育を受ける機会も与えられなかったのは、不幸としか言いようがない。

冒頭のようなコメントを出した企業が悪いとも言いがたいが、あんな時代は二度と繰り返したくないものだ。