9月26日。

926日。ふと、大阪近鉄の優勝から20年という言葉を目にした。そうか、あれから20年が経ったということか。


北川博敏サヨナラホームランのシーンは何度見ても痺れる。あの瞬間の記憶があるから、普段どんなに辛いことに直面していても生きていける、なんて人も少なくないんじゃなかろうか。


あの頃の大阪もなかなかにボロボロだったけど、まだ平均年齢はいまと比べれば若くて、血気盛んなところも多かった。大阪は好きだけど、なんとなくそうしたやんちゃなところになじめなくて、関東に出ることにした。


20年が経って、大阪は東京よりも「老いた」都市になり、やんちゃさは鳴りを潜めてしまった。今だったらなじめるのかもしれない、と思うこともある。古いものがいよいよガラガラと音を立てて崩れはじめ、全く新しいものが代わりに作られようとしている場面に出くわすことも増えてきた。


40にして惑わず、という言葉を目にした。いろんなことを経てきて、いまなら腰の据わった仕事、社会に対して遺せることがあるだろうか。あの日の興奮を胸のうちに秘めたままに、自分なりの奇跡を起こすことを、まだ諦めていない。