写真屋さん。

実家から歩いて1分くらいのところに写真屋さんがあった。あった、と言っていいのかわからない。もしかしたらまだ営業しているのかもしれない。


子どもの頃はもちろんデジカメなどなくて、カメラのフィルムを撮り切ったら、写真屋さんに現像に出していた。数日してまた出来上がりを取りにいくのである。現像代だけで1000円以上かかる。そうして受け取った写真はアルバムに挟んでいく。


その写真屋さんに現像を出していたのは20年前くらいまでだろうか。あっという間にデジカメが普及し、カメラフィルムからビジネスモデルを転換できなかったKodakは破綻し、富士フィルムコニカミノルタもいまは全く別の会社に生まれ変わった。フィルムの現像も過渡期にはまだ家電量販店で安く頼めたこともあったが、それも一瞬で、2005年くらいからの写真は全てHDDに収まっている。


街場の写真屋さんはほとんどが店を畳んだ。実家の近くのそのお店は、もう20世紀の間には稼ぎ切っていただろうから、その後も細々と事業を続けられたのだろう。ふと、どうしているだろうかと思い出して筆をとってみた。