駄菓子屋。

小さい頃、町内に駄菓子屋さんがいくつかあった。もう数十年も行ってはいないのだが、まだ残っている店もあるという。戦後すぐくらいに建てられたような平家の長屋の開き戸をあけて、木の板に駄菓子が並べられているようなお店である。消費税などはどうしているのだろうか。僕が小学生の頃は3%だったので、消費税などかかっていなかったはずである。


30年前もいまも、1日の売上は数千円、お好み焼きや焼きそばを併売しても1万円をいくことはまれだ。利益率を考えると気が遠くなるような商売だと今ならわかる。それでも駄菓子屋さんをやるのはお金だけではないなにかがあるからなのだろう。


北関東にいくと、駄菓子屋メーカーが乱立する町がある。こんなところで、あのお菓子が作られて全国に運ばれていくのか、と思うと感慨深い。おカネはもちろん大事なのだけど、世の中にはおカネで測れない価値を社会に創造している企業、団体がたくさんあるし、そういう組織が残っていることこそが、日本の良さであり、潰してはいけないものなのだと思う。