勝ちパターン。

連休中から痰の絡む咳が続いている。熱や頭痛は全くないので、ひとまず薬局に行ってみた。すると、CMなどでよくみる市販の風邪薬の脇に、見慣れたパッケージの姿を見た。

一般的には知られていないけれど、小さい頃から実家に常備されている薬だ。実家には置き薬屋さんが今でも補充しにきているはずだ。そのパッケージに妙な安心感を覚えて、けして安くはなかったのだが思わず買ってしまった。

家に帰って飲んでみる。水で流し込むにはやや大きいカプセルも前と変わらない。僕は昔から錠剤やカプセルを呑むのが苦手で、ようやくちゃんと吞み込めるようになったのは小学校も高学年になった頃だった。医者に「普通は幼稚園児くらいで呑めるようになるんですがねえ」などと言われたことを今でも覚えている。

そんなことを思い出しつつ、カプセルを呑むと、数時間もしないうちに効き目が出てきた。身体がこの薬のことを覚えていたのだろうか。風邪に対する勝ちパターンをひとつ思い出せたような気分になった。