野球人。

いろいろあった今年の夏の甲子園も、智弁和歌山の優勝で終わった。初優勝が24年前ということで、夜のNHKニュースでナインが登場していたのを見た記憶がある。自分は中学3年生だったか。


智弁学園との兄弟校対決ということも注目されたが、なんといっても中谷監督のことに想いを馳せてしまう。まさに24年前の優勝時の主将、そしてその後タイガースにドラフト1位で入団するも、選手としてはなかなか芽が出ず、不幸なアクシデントに見舞われることもあった。それでも15年間のプロ生活をまっとうし、在籍した3球団からはそれぞれ引く手あまたで、野球人としては本当に慕われた。いろいろな選択肢があるなかで、母校に戻り、名将とされた高嶋監督の後をつぎ、タクトを振っている。


順風満帆とは言いがたいキャリアでも、その場その場でできることを尽くしていれば、きっと評価してくれる人がいる、そんなストーリーを地でいくような人物である。選手たちが主役とはいえ、そういう人物が監督として栄冠を勝ち取ることには感銘を受ける。置かれた場所で精いっぱい生きることの大切さに改めて触れる。