懸命。

同僚に「俺は命を懸けていまの仕事をしているから」と言われた。その心がけは素晴らしいとは思うが、真似しようとは思えない。まあでも、そういう人の前で手を抜くのも失礼かとは思い、昨日から前よりも真摯に仕事に取り組むようになった。


振り返れば自分にも命を懸けるがごとくなりふり構わず仕事をしている時期もあった。そういう時期が終わって幾年月経つだろうか、経験が増すということは、手を抜いても仕事を回すコツを掴むということだ。


いつかはまた命を懸けるがごとく仕事をしたいと思いながら数年過ごしてきた。一方で、確実に歳は食っているし、次に命を懸けて仕事をして、果たしてどれだけ自分が持つのだろうか、という気持ちもある。潰れないこともまた重要なのだ。


自分は同じようにはできないけれども、いまの仕事が天職と思えて、めいっぱい取り組むことのできている人は幸せだと思うし、個人的な感情は全て抜きにしても心打たれるものがある。その結果がついてこなくとも、挑戦する姿は美しい。それがたとえ50代のおっさんであっても。