いなす。

いまだに、悲しみが定期的に襲ってくる。去年の今ごろはどうやって悲しみをやり過ごしていたのだろう、と遥かかなたの日々を振り返る。


悲しみを思い出さないようにして封じ込めるのもまた違う話だと思う。少しずつかさぶたを外してみては、まだヒリヒリとして触れないなと感じてみる。そうすることで確認できることもある。


少し前の日付を目にするたびに、ああ、いまからあの日に戻れたら、と今でもなお思ってしまう。でも、それはけして叶わないことだからこそ、意味があるのだと感じるし、本当に大切なものはなにか、ということに思い当たらせてくれる。


前半生を通じて執着してきたものから、少しずつ手を離していこうと思う。そして家族やまわりの人に本当に残せるものはなにか、よくよく考えていこうと思う。


世の中にマネーがあふれているのに日々食うに困る人もたくさんいる。成長曲線を描くことのできるフロンティアはどんどん消失し、ゼロサムゲームでの奪い合いが生じる。そして世界はどんどんキナ臭くなっていく。悲しみのいなし方、そして時にはいなすだけでなく戦い方を、考える。