僕は勉強が嫌いだ。

はっきり言って社会人になってから、ほとんど勉強というものをしていない気がする。いやそもそも、本格的に勉強した記憶となると、大学受験以降にはほとんど思い当たらない。

大学生の頃に勉強していなかったわけではないが、基本的には自分の興味のあることを深めていくという作業と思考であり、自分自身で勉強している、という意識は全くなかった。興味のないことにもあえて取り組む、という意識も全くなかったので、必修科目の語学などの成績はひどかったように思う。自分の興味ある分野に関して、いくつかの資格試験にはチャレンジしてみたが、それも好きなことの延長線上にあるものであり、苦しみながら努力する、といったものではなかった。

銀行時代にもいくつかの資格を取る必要があったので多少なりとも勉強はしたが、必須なものについては片手間でもなんとかなるような程度だったし、そこから自主的に高みを目指そうという考えも全く持てなかった。そして転職してからの初めの2,3年の間も、まだまだ年次的に自己研鑽に励む時期かなという自覚はあったので、資格取得を目標設定のひとつとして掲げてはいたものの、それを達成することはほとんどなかった。要するにやる気がないことに対して勉強する意欲が一切湧かなかったのだ。そんなわけで、ここ数年は仕事以外に一切勉強していない。文章を読むことは好きなので、業界誌や多種多様なコラムは日々読んでいるが、これは勉強とは言わないだろう。

はっきり言って大学受験すら勉強していたと言うべきか怪しい。僕が受験した1つの国立大ともう1つの私大の受験科目は、センター試験を除けばそれぞれ英語と地理、英語と国語と地理のみである。当時はセンターレベルを超える数学に全く興味が持てなかったので、二次試験に数学を必要としない大学を選んだ結果がこれである。嫌いな勉強はやらない、好きなことは徹底的にやる(これを勉強と呼ぶのだろうか)。この主義は高校生の頃から一貫していたように思う。

まぁそれでもなんとかここまでやれているのだから、それで良かったと言えるのではないだろうか。歯を食いしばって嫌いなことに取り組んで結果が出るのも素晴らしいことだと思うし、資格を取ってそれで食っていけるのならば安心だろう。しかしながら、それらから逃げ続けても何とかなるし、逆に嫌いなことに取り組んだから必ず報われるわけでもないし、どんな難関資格であっても、それを取ったから食えるわけでもないのだとも思う。