おくりびと。

自分でゼロからなにかを作っていくよりも、誰かが作り上げたもの、そしてピークを過ぎたものを畳んでいく仕事のほうが、自分らしく性に合っているんだよなあ、と10年前くらいにつぶやいていた気がする。あれからいろいろ試行錯誤してみたけど、やっぱり自分はそんな立ち位置が好きなんだろう。自分から周りを振り回していくのはどうにも性に合わない。ひっそりと、隅っこで後片付けをしていくのだ。


いつか、Twitterのプロフィールに「おくりびと」と書いていたこともあった。夢破れた人のことを悼んで、丁寧に後処理をする。そのときに人間の機敏に触れることにたまらなくやりがいを感じることがあった。


社会人人生も、折り返し地点にきたはずだ(いまは70歳過ぎても働く時代なので、そういう意味ではまだ1/3もきていないが、気分的にはもう半分だ)。後半はもっともっと自分の好きなことに正直に生きてみたいと思う。もとより、いつ死ぬかわからない人生なのだ。先のことばかり考えてくよくよするよりも、いま目の前にもっとフォーカスしていたい。