歩く、歩む。

久しぶりに都内をてくてく歩く。ちょうど気持ちの良い季節だ。公園にはそこかしこに花が咲いている。


歩いていると気分も晴れてくる。ああ去年の夏もよく歩いていたなあと思い返す。あの頃、ひたすら歩くことで僕は自分を少しずつ取り戻していったようにも思う。歩くことで、もやもやと頭のなかなかで絡まっていたことが自然とほぐれて、風が吹き始めるような感覚になれる。


ひとつひとつ、当たり前の毎日を積み重ねることで、嫌なことも消化していく。数十年経てばどんなことも笑い話になる。


人生は常に寂しくなったり悲しくなったりすることがちょっぴりあるくらいがちょうどよい。無防備に浮かれているときにこそ落とし穴がある。どんなに良いことがあったとしても、それが当然とだとか自分の実力だとかは思わずに、天の配剤として受け取めるくらいがよい。


欲張らず、淡々と、いま目の前にあることに感謝して、やれるだけのことをやる。4月に入ってからは人の批判や悪口を言うこともごっそりと減った。これが良いのかはわからないけれども、いまは気分を一新して、新入社員のような気持ちで毎日過ごしている。