外周。

出張の折、ぽっかりと空き時間ができたので、中高時代を過ごした母校のある駅に降り立った。もう知っているであろう先生もほとんどいないので、校舎の外周道路をてくてく歩いた。学生だった時代から、「外周」と呼ばれ、部活動などでこの道路を走ったものだ。併設の大学も含めれば、一周すると1キロくらいの距離になったはずだ。

あまり変わりばえのしない古い校舎(いつ建て替えるのだろう?耐震性は問題ないのだろうか)を眺めながら歩く。ちょうど夕方前の時間で、ラフなTシャツを着た高校生が後ろから走ってきて抜いていった。

ぐるっと回ると、運動場とテニスコートが見える場所がある。ちょうど部活動をしている。なんとも言えない感情が湧き上がってくる。甘酸っぱいとも違う、言いようのない感情だ。

あの時こうしていればもしかしたら別の人生のストーリーがあったのかもしれない、と思いを巡らす。でも当然のことながら人生をやり直すことはできない。後悔などはないのだけど、どうしてもifを想像してしまう。

やり直すことができないからこそ、人生は価値があるのだけれども。