船出。

331日、たくさんの人が会社を去っていった。みなそれぞれにあいさつをしていた。


去り際に出てくる言葉に、人柄がにじみ出る。でも、みんなスッキリとした顔をしている。思うところがある人も、なにも言わずにむやみに暴れることなく去ってゆく。


会社、という組織はいまだに素晴らしい形態ではあるけれども、その形がいよいよ崩れようとしている。そんななかで、いろんな人が新しい一歩を踏み出そうとしている姿には、神々しさを感じる。


たぶん、これからもいろんなことが起こるだろう。会社のなかにいても、外にいても、大波に揺られることは間違いない。大きな船ならば座礁してしまうかもしれないが、小舟は転覆してもまたすぐにくるっとひっくり返せるだろうし、なんなら漂い続けて嵐を切り抜けられるかもしれない。


大きな船を飛び出すのもひとつ、大きな船の改造に着手して、なんとかこの先も航海を続けてみるのもひとつ。それぞれの選択、それぞれの人生に幸あらんことを祈る。やりたくないことを無理にやり続ける時代ではない。