節目。

つい先日、長い間一緒に働いた仲間を見送った。

限られたメンバーで仕事をまわしているうちの会社にとって、仲間が去っていくのは辛いことだ。残された仕事が自分に降りかかってくるということよりも、彼が彼女がいた空間にぽっかりと穴が空いたような気分にさせられることが辛い。後には主のいなくなったデスクだけが残る。それもまたいつしか所与のものとして捉えるようになってしまい、慣れてしまうのが人の性でもあるのだけれど。

他の組織を「○○(社名)さん」と呼んでしまうように、会社はしばしば擬人化される。人(個人)に個性があるように、組織(法人)にもそれぞれのカラーが現れる。しかしながらそのカラーは人の個性が混ざりあってデザインされるものであり、もともとの組織自体はカラのハコでしかない。見方によっては、組織が人を飲み込んだり吐き出したりしているようにも見える。

これまでによくみられた働き方は、人が組織にべったりと吸収され、なおかつ人が組織に思い入れを持つものだったが、その形は変わっていくのだと思う。ふわふわした気持ちのままで、僕はいまの場所でついぞ想像しなかった8年目を迎える。