VUCA。

日本の大企業は、中期経営計画というものが好きだ。同じように、政治の世界の人々も、結論ありきでそこに協議を持っていくような進め方が大好きだ。


ここ1年のCOVIDの対応についても、1か月後の感染状況などをゴールにおいて、緊急事態宣言の発出や解除などが検討されたり、経済下支え策などが打ち出されてきた。ただ、あまりにも当初の結論ありきのゴールにこだわるがゆえに、プランBを全くと言っていいほど用意していなかったり、日々変わっていく前提条件に対応できていない、ということがよくみられた。菅さんなどはその典型の政治家で、みんながなんとなく望んでいるゴールに状況を運んでいくことは得意でも、正解のない問題(いまならば、オリンピックの開催の是非)について一定の指針を示すことは苦手である。というか、開催以外のプランBを持ち得ていないようにも見えてくる。


中期経営計画だって同じで、これだけ変化がめまぐるしい時代に後生大事に数年前に作った計画(たいていはなだらかな右肩上がりで、ドラスティックなものはあまり見ない)を忠実に遂行していくことになんの意味があるだろうか。そろそろこの慣習から脱するべきだと思う。