2005年、メコンの国③。

(昨日の続き)モンラーに向かうバンに揺られてうつらうつらとしていると、ドンっという衝撃が身体に走る。なんと、車どうしが接触して事故を起こしてしまったのだ。こちらのバンは多少へこんだくらいなのだが、相手の車はタイヤが外れ、運転手も怪我をしている。さてどうなることかと肝を冷やしたが、なんらかの形で話がついたらしくまたバンは出発した。多少ガタガタしており不安である。


ラオスとの国境の街は、中国側は栄えていたが、ラオス側は本当に掘建て小屋がひとつ、といった風情。あれから15年以上が経ってどんどん光景も変わっていることだろう。ラオス2日でさっとフェイサーイに通り抜ける。これまでに経験したことのないくらいの牧歌的な世界であった。人びとは高床式の藁と木で組んだ家に住んでいる。出会ったパッカーは、オピウムを吸っている人が多かった。


フェイサーイでメコン川を渡り、タイに入国するとあとは勝手知ったる世界。何度目だろうか、というバンコクはカオサンでぶらぶら過ごして、帰国までの時間をつぶす。あと1か月もすれば会社の研修所にいるんだな、とえもいえぬ思いを抱えながら、残された時間をかみしめるように過ごしていた。