働き方。

はるか昔に辞めた人間のたわごとだけれども、ここ数年でメガバンクの働き方は本当に変わったと思う。

10年前、もしくはもう少し前はそれはひどいもので、入行後3年間での離職率はゆうに5割を越えていたし、精神疾患で休職や退職していく人も少なくなかった。経営危機も叫ばれる泥沼の状態を抜け出すためには仕方なかったのかもしれない。辞めていった人たち、心身を壊した人たちはある意味で人柱とも言える。

採用縮小や厳しい時期だったということもあって、各行ともに現在32歳〜42歳前後の世代が極端に少なくなっている。経営面ではかなり前からひと息ついて、リーマンショックの傷も浅く済んだ頃から、果てしなく厳しかった時期の裏返しか、将来の人員構成に危機感を覚えたのか、メガバンクの働き方は大きく進化し、子育て支援やメンタルケアなどはいまや業界を飛び出してトップランナーに躍り出ていると言ってもよい。

もちろん全然楽な仕事ではないし、生き残っていけない人もいるのだが、ひと山越えてある程度力をつければ、非常に働きやすい職場でキャリアプランを積んでいけるのではないだろうか。メガバンクに初めから優秀な人材が入ってくると言うよりも、入ってきた人の能力を殺してしまうことなく最大限に引き出すシステムが整っているから、優秀な人材が揃えられるのだと思う。働き方支援に対する取り組みの差が、企業の競争力に直結する時代になってきている。