遠く離れて。

先週、とある田舎町の食堂でお昼を食べていると、隣の大テーブルに団体さんがきた。社長らしき恰幅のよいおっさんが、おそらくはフィリピンからきたであろう女性を15人くらい連れている。この地域は、外国人比率が高いのだ。いまどき都内でもそんなに外国人の姿を見ないので、おっと思う。


女性はめいめいに好きなものを頼む。社長は好きに食え食えという感じでふるまっている。こうやってランチに連れ出すのも福利厚生の一環のようなものなのであろうか。女性はみんな楽しそうにぺちゃくちゃおしゃべりをしている。


田んぼがどこまでも広がる田舎で、この人たちはずっと暮らしているのだ。おそらくは家族もいて、ここで暮らしているのだろう。母国を離れて生きていくなかでの今年のCOVIDは、彼女たちの目にはどう映っているのだろうか。


世界はどんどん変わっていくけど、人間は案外しぶとく生きていく。どうなっても生きていけるや、と開き直るくらいでちょうど良いのかもしれない。ごはんが食べれて、暖かい布団で眠ることができれば、充分幸せなのである。