退蔵。

比較的幅広い年代の人たちと交流しているつもりではいるのだが、さすがに齢70代の方々と接する機会は少ない。たまたまこの週末に話す機会があったので、このコロナ禍をどうみているのか聞いてみることができた。


当然なのだが重症化リスクが高いので、行動には慎重である。テレビなどもよく見ているせいか、県またぎの移動も旅行ももってのほか、という考えをかたくなに守っている。これでは旅行業界が瀕死になるのも無理はない。この行動様式は容易には変わらないだろうし、いくらgotoキャンペーンがあろうとも観光業界は枕を並べて討ち死にであろう。


しかしながら高齢者は資産を潤沢に持っており、それを溜め込むばかりで使うあてがない、というのもまた事実のようだ。外食も旅行もできないとなれば、そりゃそうだろう。


行き場を失ったマネーは退蔵されている。一定の年齢を超えれば、資産運用にもまわることはない。かくして、マネーの総量は多いけれども、世の中をぐるぐる回っているのはその一部、という世界になりつつある。マクロ経済からみても、なんとも不思議なことになってきている。