セルフ車掌。

電車に乗ると、後ろのドアのところで「セルフ車掌」をしている少年に出くわした。セルフ車掌とは、車掌さんのアナウンスをマネして話すことだ。中川家礼二の持ちネタにもある。僕もさすがに電車のなかではしないが、小さい頃は家などでセルフ車掌をしていた。


ふと思い出すのは、中高時代の電車通学での場面だ。あの頃、時間帯は忘れたが、帰りの電車でしばしばセルフ車掌をする同年代くらいの少年を見かけた。彼は知的障がいを持っていて、毎日専門の学校に通っていたのだろう。いつも電車に乗るのを本当に楽しそうにしていた。自作の歌を歌っていたこともある。


あの時の彼も元気でいまも暮らしているだろうか、と気になった。障がいといえば、うちの息子も、ダウン症の男の子とパパがYouTuberとなって仮面ライダーのおもちゃを紹介する動画が好きだ。男の子の豊かな表情が、うちの息子の心の琴線に触れるみたいである。


好きなことにまっすぐに生きているのは、それだけで素晴らしくて、生をちゃんと全うしているなあと思える。僕もまたそうありたいものである。