反芻、咀嚼。

前に出張に行ったのは2月の半ばなのでもう3ヶ月以上前のことになる。向こう3カ月も、ほとんど出張することもなさそうだ。これはこれで慣れてしまった自分もいるし、しんどい思いをして移動する気ももうあまりなくなってしまった、というのが正直なところでもあるのだが。


出張や旅行への意欲はあまり湧いてこないのだが、最近はふと以前訪れた地のことを思い返すことが多い。思い出は反芻することでより深く定着するものである。


人は思い出を食べながら生きていく生き物なのだなあ、ということを改めて思う。生きていくための思い出の食い扶持を溜めることも大切だけど、それよりも溜めておいた思い出を丁寧に取り出して咀嚼できる能力もまた大切だなと思う。ついつい速いスピードで日常を駆け抜けてしまい、置いてきぼりにしてしまったもの、きちんと整理しないままに乱雑に放ってあるもの、それらをこの機会にちゃんと拾い上げて、もう一度脳に追体験させてみるのも良いだろう。


景色だけでなく、音や香りなど、いろんな風景がある。何度も何度も思い出してあげたい。