生誕日。

2月25日、きょうは3年前に亡くなったおばあちゃんの誕生日だ。生きていればきょうで90歳になっていた。

今も変わらず生きているような気もする一方で、実家に帰れば一階の部屋はガランとしていて、おばあちゃんの顔は遺影におさまっている。いるのが当たり前なのか、いなくなってしまったのが当たり前なのか、自分でもまだよくわからないところがある。

35年以上生きてきて、大切な人を亡くした、という経験は3年前が初めてだったように思う。あと半分と少しくらい自分自身の人生が続くとして、残りの人生では、大切にしていた人を亡くす機会がこれまでの前半生のそれこそ何十倍も訪れるのか、と想像すると、なんとも言えない気持ちになる。そうなれば、人生観もきっと変わっていくのだろう。

3年前、亡くなる日の数日前、大阪に出張にきていた僕は、夕方になって、どうしようもなく後ろ髪をひかれる予感に駆られた。結局そこで実家に寄らず帰京したのだが、あのようなシグナルを今度こそは、しっかりと捉えて生きられるようにしたい。