リスク回避傾向。

たまたま友人の職場の困った人の相談を聞いていてふと思い出したのだが、僕の前の職場には、自分が下手にオブリゲーションを負ったりリスクを取らされることを極端に嫌う人がいたのである。良いことなのか悪いことなのかはわからないが、いまの職場にはそういう人はいないし、社会人になって初めての職場にもあまりそういう人はいなかった。


あまり属性がひとり歩きしても偏見っぽくなるのだが、そういう人はほぼ、半官半民の組織で育ってきた人である(もちろん、そういう組織の出身の人でもおそろしく柔軟だったり、ざっくばらんであけっぴろげな人もたくさん知っているので、レッテルを貼るつもりは毛頭ないことはあわせて付言しておきたい)。なんというか、組織の泳ぎ方は上手なので、じわじわと自分のポジションをちゃっかり確保しているタイプでもある。


そういう人のメールや会議での発言には独特の癖がある。謙遜やバランスを取ろうとするがゆえにまわりくどい長文や長時間の発言になりやすい。そしてそういう伝え方をしているがゆえに必ず本質がぼやけるし、他人事のような立ち位置からの発言にも聞こえてしまう(自分の責任を回避するのが目的なので、そういう意味では目的はこれで達成されているものでもある)。幸いなことにそういう人の直属で働くことはなかったので、傍観者として、ああこういう人もいるものか、と思うくらいであったが、おおよそ僕の価値観とは大きくかけ離れている。どんな環境下で育つとそういう思考回路になってしまうのかは、いまさらながら興味がある。


と、ここまで書いてきて、僕の文章にも似たような癖があるかもしれないな、と自覚した。断定をあまりしないことや、両論併記っぽく書いてしまうところである。現実の僕自身の言動はもう少し雑で、こうと決めたら踏み込みがちなので、ブログを書くときの人格はまた独特なのかもしれない。