混乱の先。

世間話などで、「早く落ち着いて元通りの生活になるといいですねえ」などと言葉を発することがある。でも心の中では、もういまの状態を所与のものとして仕事や生活のあり方を変えていかねば立ち行かないんではないだろうか、という思いを日に日に強くしている。


元の慣習を引きずっていこうとする主体が、ますます窮地に陥っていく未来しか見えない。本来ならばオリンピックの後に訪れるであろう構造変革が前倒しで一気にやってきた感じである。ここに抗っていては、座して死を待つのと同じことになるだろう。


ウイルスが拡散するのと同じように、マーケットにカネがばら撒かれていく。これだけカネの価値が軽くなった世界で、マーケットがもし落ち着きを取り戻したらどんなことが起こるだろうか。


将来を楽観視してやり過ごすのは、今回ばかりは命取りになりそうだ。いまの混乱の先にどんな世界が横たわるのか目を凝らして見ておくべきだし、次の時代に飛躍するのはいつだって、こういう非常事態に天命を知り自らの基礎を築いた人なのだ。