3月11日に。

今年もまた311日を迎えた。いま、コロナの件で日本も世界も大変ではあるけれど、震災とその後の数日間の緊張感、そしてその後数ヶ月のやるせない気持ちに比べれば、いまはまだ余裕をもっていられていると思う。


心ない人の心ない言動に悲しくなったこともあった、あの日をきっかけに自分の信じた新しい道に飛び込んでいった人もいた、僕も東北にも何度も足を運んで、ほんのさわりだけでもあの日のことを追体験した。


9年が経っても毎年思い起こすことは変わらなくて、でもそれを言葉に起こすと途端にしらけたお決まりのフレーズになってしまいそうで、なにかを言うことは難しいものだとつくづく思う。普段は野暮なことも含めてだらだらといろんなことをしゃべくっているけれど、本当に大切なことはいつも言葉なんかでは表せないことだ。


9年前はまだ自分自身の身を立てるのが精一杯のひよっこだった。今もまだ大した人物でもないけれど、あの頃に比べれば強くなったはずだ。言葉で雄弁に語れなくとも、行動で想いを示すことのできる人間でありたいと、この節目の日に改めて思う。