受け入れること。
さてさて、1年間追いかけてきたおしんもあと2週間。1月にも、嫁姑問題の話を書いたけど、ここにきておしんのところに、山形から兄夫婦が転がり込んできた。
この兄夫婦は若い頃は東京に働きに出たおしんの貯金で家を建ててもらったりしながらも、おしんを疎み、時には邪険に扱ってきた。おしんにとっては苦々しい人物でもある。その頃からはもう40年以上が経過して、おしんは成功者になり、兄夫婦も自分の土地を持ったものの、逆に子どもたちに追い出され、土地を担保に借金を背負わされることになったという。なんだか因果応報な気がしないでもないのだが、おしんはそんな兄夫婦を追い返すこともなく受け入れるのだ。昔自分がされたように邪険にふるまうことをしないおしんの姿には本当に感服した。
ドラマではおしんばかりがつらい目に遭い続けたように見えていたが、ここまでくると、兄夫婦は兄夫婦でつらい立場にあったことがわかるし、人間時が経てば立場が入れ替わってしまうものだということがよく分かる。ずっと幸せで居続けられる人もいないし、良いポジションを保ち続けられる人もいない。唯一、努力を積み重ねて柔軟に自分を省みることのできる人だけが、その積み重ねと引き換えにたどり着くことができる場所があるくらいである。