回避。

毎朝通勤ラッシュにまみれる生活がはじまっている。これまでは長年、客先へ直行する日をなるべく増やしたり、そもそも遠方に出張することも多かったので、週のうちの何日かはラッシュを避けることができていたのだが、当分はどうやっても避けることもできず連日ラッシュに突っ込んでいくことが増えそうだ。


人ごみのなかに身を委ねるのは構わないのだが、iPhoneの電波が悪くなるのはキツい。ウェブブラウジングができないとなると、途端に手持ち無沙汰になる。そして手持ち無沙汰でもやり過ごせるほど、混雑は緩くない。


たまらずに窓のほうを見てぼーっとした時間を過ごす。ターミナル駅が近づくにつれ、じりじりと遅延は拡大していく。入社していきなり遅刻なぞはバツが悪いなあと思いながら、電車が少しでもスムーズに次の駅に吸い込まれていくことを願う。ふと、前のおっさんと目が合う。もう満員の車内に40分くらい一緒に詰め込まれているので、なんだか同志のような気分になってしまう。毎日これを繰り返すのはやっぱり非生産的だ、早めに直行を増やしていこうと心に誓う。