川崎市営地下鉄。

川崎市営地下鉄構想」なるものがあったということを初めて知った。もともとは新百合ヶ丘から宮前平、元住吉を経由してJR川崎駅に至る路線が検討されたようだ。その後、元住吉から川崎にいたる区間はJR南武線とほぼ並行していることから計画断念となり、新百合ヶ丘から武蔵小杉に至る路線のみが最後まで計画として残されたが、最終的に数年前に全面断念となったとのことである。事業としての採算見込みに欠けることもさることながら、沿線でも建設に向けた機運が全く高まらなかったことが最大の要因らしい。

日頃南武線を利用している身としては、なんらかの形で開業にこぎつけて欲しかった、という気持ちはある。南武線の輸送力は正直言って貧弱であり、朝の混雑は限界に達している。南武線に限らず、東急大井町線も朝の混雑は年々ひどくなり、東急田園都市線溝の口以西の数駅の混雑はひどいと聞く。もし地下鉄が開通していれば、これらの線区の状況はもう少しマシだったはずだ。

ただ地下鉄の開通の可能性が閉ざされたいまとなっては、ひとまずは既存の線区の輸送力増強で乗り切るのだろう。人口動態からすればあと10数年もすればラッシュの状況は今よりもマシになる、と各社は未来を読んでいるのかもしれない。