処分②。

(昨日の続き)なかには、色紙や集合写真などもある。いまでは漠然と思い出すだけの過去も、細分化していけばいろんな場面があったのだ、ということを思い出す。16歳から24歳くらいまでの、人格形成のうえでは大切な時期のかけらが、そこかしこに転がっている。


厳選して、茶封筒2つにまとめる。大切なものだけど、あまり引きずりすぎるものでもないのも確かだ。過去のことにこだわりすぎると、未来に向かって踏み出す一歩のキレが、鈍いものになりかねない。


他に、自分のもの以外にも目を向ける。意外にも着物が多い。もう今となってはほとんど価値もつかないのだろうが、昔は大切な嫁入り道具だったのだろう。どんどん時代が移ろっていくことを感じる。いつかはこの実家を引き払う日も来るのだと、はじめて実感する。


本当に大切なものなんて、両手を伸ばしたくらいのスペースに収まるもののはずだ。そのことを見失わずに、これからますます複雑怪奇になっていく、中年期を泳いでいくのだ。