人間にできないこと。
AIの存在感がますます増していくなかでなお、トランザクションのなかで人間が介在するからこそ価値が生まれる、という考え方が残ることは理解できるのだが、その考え方に傾きすぎると見失うものがある。
将棋の世界ではよく言われてきたことだが、コンピュータが将棋のレベルをどんどん上げてきたなかで、従来の人間の将棋のなかで定跡とされてきた筋を超える指し手が発見されている。人間が積み上げてきた大局観のなかで、無意識のうちに選択肢から除かれてきた指し手のなかに、より良い手が存在していたということだ。
同じように、ビジネスの場面においても、従来の発想とは全く違うところに正解手が転がっていることがある。むしろ、ビジネスの世界にこそ今まで無意識にはじかれてきたチャンスがあるのではないだろうか。そしてそれは、人間による柔軟な発想でこじあけていくこともあれば、AIやオンラインプラットフォームに任せるほうが良い結果が出ることもあるのだろう。
そのチャンスをどこまで拾っていくか、が僕の仕事だと思っている。