順位戦ラスト。

比較的時間に余裕があるので、ここ数日は将棋の順位戦中継を見ていた。将棋自体はほぼ毎日指し続けているのだが、やはりプロが指す将棋、そして解説を聞いていると勉強になる。


A順位戦最終局は、毎年名人挑戦争いよりも降級争いが気になる。最終局を待たずに降級が決まった阿久津八段につづいて、深浦九段が5度目の降級となった。B1組に降級すること4度、そのたびにA級復帰を果たしてきた羽生世代の俊英は、きっとまた昇級を決めてくれるだろう。


深浦九段は、大勢が決し、詰み筋に入ってからも、最後の3手詰の局面まで指し続けた。これまでの来し方を振り返り、心を落ち着けて頭を下げた。そのひとつひとつの所作に、またここから這い上がっていくんだ、という気概を感じた。


数日後、C1組最終局。藤井聡太七段と師匠の杉本八段は共に勝つも、藤井七段は順位の差で昇級ならず、杉本八段が昇級を決めた。切れ味がするどいわけではないが、杉本八段らしい重厚な指し手が見れて良かった。藤井聡太七段も真綿で首を絞めるような老獪な指し回しが光った。やっぱり将棋は楽しい。