新北風。

11月の沖縄はずいぶんと涼しく感じる。新北風(ミーニシ)という強い風が爽やかな空気を運んでくるのだ。この季節は偏西風もことさら強くなるので、東京から沖縄に向かう飛行機はいつもより余計に時間がかかるし、沖縄から帰る便はスピードがよく出る。


涼しくはあるものの、寒いというほどではないので、商店を飾るクリスマスの装いにはなんだか違和感を感じる。まるで東南アジアの国にいるような気分になる。さらに言えば、街ゆく人々も見慣れたかりゆしではなくスーツに着替えていて、これもまた認知の歪みを生じさせる。


アイスクリームを食べる気にはなれなくて、沖縄そばのあったかい出汁が身にしみる。モノレールやショッピングモールで、冷房が効きすぎていないのも良い。


季節によって少しずつこの街が違う顔を見せることが分かったときに、今までよりももっとこの街のことを理解できたような気がする。あんまり仕事のできていない僕にも優しい街である。


戻ってきたらもう12月。泣いても笑っても12月。