もう冬。

ずいぶん冷えこむようになってきた。最近は暗いうちから家を出ることもあって、ことさら寒さが身にしみる。昨夜は遅くまで年末年始の準備やらに手がかかっていたので、睡眠時間は少ない。


夏の盛りの時期にはうだるような日差しが射し込んだホームも、いまとなっては寒風が吹きすさぶ。やってきた電車には暖房が入っている。温風に身を委ねていると、眠気がぶり返ししてくる。


ターミナル駅で降りて少し歩いて乗り換えへ。きょうは高速バスに乗る。満員に近いバスに揺られていると少しずつ太陽が昇りはじめてくる。少し身体をまるめて、眼をつぶる。


窓ごしに太陽の光を浴びて身体が温まってくる。バスのタイヤが横滑りする感覚が伝わってきて、ふと覚醒する。バスは体勢を立て直して、何事もなかったように走っている。錯覚だったのかもしれない。


窓の向こうには冬晴れの原野が広がっている。人家がなければまるでモンゴルの平原を走っているかのようだ。少しずつ身体に力がみなぎってくる。