真冬。

とある地方都市、東京に戻る電車を待つホームには寒風が吹きすさんでいる。顔が痛くなるような風は真冬のそれを思わせる。おまけに小雨も降りはじめている。

首を長くして待った上り電車がホームに入ってくる。押しボタンを押して乗り込むと、車内は暖かな空気で満たされている。ここだけ別世界のようである。シートに腰をかけてぼんやりと座る。

晴れていれば窓の向こうには綺麗な山並みが見えるはずなのだが、きょうはそれは叶わない。グレーの空に雲が低く立ち込めている。そこにもあっという間に夜の闇が迫りつつある。

いろいろと放り出して、先延ばしにしてしまっていることがたくさんあるのは自分でも分かっている。でも、いまはそれに手をつける気にはなれなくて、ぼうっと目の前に流れる景色を見ている。

運命は我に味方してくれるだろうか、とぼんやりと考えている。今年については、そこに明確な答えは与えられなかった。来年はどうだろうか、やっぱり自分の手で掴みにいくしかないのだろうか。

来週は、いろいろと動かしにいく週にしたい。