終戦記念日のシーズンということで、戦争関連で放映されたNHKスペシャルを見た。樺太地上戦、731部隊、空襲全記録。インパール作戦の回は見過ごしたので次の週末の再放送を待つ。どれも心に迫る内容だった。わずか72年前のできごとだとは、想像もつかない。
逆に言えば、当事者もほとんど鬼籍に入ったこの時代だからこそ、これだけ内容を掘り下げることができたのかもしれない。それほど、敵も味方も人として異常になっていた。印象的だったのは戦闘機につけられたガンカメラが捉えた九州地方の農村の風景だ。学校や農家や倉庫に加えて、ダミーの戦闘機が並べられている。人々はどんな気持ちでダミーの戦闘機を作ったのだろう。そんなことを考えずにはいられなかった。
もう一つ脳裏にこびりついて離れないのが、ポツダム宣言が受諾されなかった場合に計画されていた「オリンピック作戦」だった。南九州と関東に連合軍が上陸するという、考えただけで恐ろしい作戦の存在は、実は今回初めて知った。ここまでことが進んでいたならば、この国のかたちも今とは大きく違っていただろう。想像もしたくない恐怖である。