父と乳。

(後半に不快感を及ぼす記述が含まれますのでご留意ください)

息子が生まれて、生後すぐは母乳もあまり出ないということでミルクを中心に与えていた。生活サイクルが安定するまでは飲みたい時に飲みたいだけ飲ませる、ということで今から思えばかなりの量を与えていた。特に夜になると眠りに落ちるまでミルクを飲ませていた。

しばらくすると母乳もしっかり出るようになってきたようで、ぐんぐんと体重が増えた。あの時の検診で、体重の増え方が急すぎるのでミルクは止めるように、と言われた。母乳だけを飲ませるようになり、体重増加のペースも安定してきた。ただ、ミルクを与えるという僕の仕事が失くなり、とても寂しい気分になった。たまに妻が家を留守にする時などはミルクを与える役割を仰せつかることになる。その時、僕の心は喜びで溢れる。

ある日、ミルクを与えられないくらいで寂しくなるのだから、母乳を与えることの喜びはいかばかりだろうか、と思い、試しに自分の乳首を息子の口にふくませてみた。が、乳房自体が膨らんでいないので、なかなか息子の口に乳首が届かない。悪戦苦闘し、息子にも協力を仰ぎながらなんとか口に乳首を当てるが、乳首が小さすぎるので、くわえるには至らずなめている程度にとどまる。それでも、性的快感とは違うなんとも言えない充実感が溢れてきた。授乳の道は遠い。