おばあちゃん。

昨年末、おばあちゃんが体調を崩して入院していた。80歳を超えてもよく食べよく歩き年齢を感じさせない快活さを保っていたが、少しずつ衰えを隠せなくなり、ここ1年くらいは地域の老人会の役も外れて、出歩くこともめっきり少なくなった。

弱った身体には夏の暑さよりも冬の寒さの方がこたえるようで、寒さが一気に厳しくなったこの冬、祖母は人生で初めての入院をした。強いて言えば心臓が悪いということだが、明らかに身体全体が弱ってきていた。僕も出張の合間にお見舞いに行った。

3週間ほどで体調は回復し、退院となった。そのなかでたくさんの親戚がお見舞いに病院を訪れた。10人を超える親戚が遠方から入れ替わり立ち替わり来て、泊まり掛けで世話をしてくれたりもしたのだという。普段そこまで親戚付き合いが濃いと思っていなかったので、僕にとっては驚きだった。

これだけの人がお見舞いに来てくれた、ということが、おばあちゃんが生きてきたことの価値を端的に表しているのだと思う。お見舞いに来てくれた人たちのおかげで体調が快方に向かったと言ってもいいのだと思う。もうすぐ87歳。人生の最終コーナーでこんなにもたくさんの人に応援してもらえるとは、なんと凄いことだろうか。金よりも名誉よりも、大事なものがここにはある。